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事例6

高層階で整形外科を開業。集患方法を教えてほしい。

整形外科は高齢者や、関節に痛みを覚えがちな中年層をターゲットに、戸建てのほかテナントでも低層階で開業するケースが一般的だ。
高層階での開業で成功するには、どんな方法が考えられるだろうか。
駅前や商店街以外の目立たない立地などでの集患方法を含め検討する。

W整形外科クリニック

繁華街の一角にある高層ビルの17階で整形外科を専門に開業した。高層階でもエレベーターがあるので問題ないと思い、高齢者をメーンターゲットにしたものの、患者数が伸び悩んでいる。患者を増やすには、今後どのような手を打っていけばいいのか思案している。

高層ビル内へのアクセスは高齢者にとって負担が大きい

今回の相談事例は、かなり解決が難しいと思われます。
整形外科の特徴は、言うまでもなくリハビリを必要とする患者さんが多く、その大半が中高年層であるということです。
ゆえに、患者さんが来院しやすいようにバリアフリーを施した低層階のテナントや戸建てで開業するのが最も適しています。

このケースのように、たとえエレベーターがあっても、日常的にオフィスで働いている人や高層マンションで暮らしている人ならともかく、高齢者の多くはふだん戸建てや低層階で暮らしています。
そんな高齢者が高層ビルの上層に上がるとなると、「膝が痛いのに高い所に行かなければならないのか…」「わざわざよそ行きの服装に着替えて出かけなければならないのでは…」など、心理的な抵抗感が生まれます。
立地の面から高齢者が日常的に来やすい環境というと、歩いてすぐ行ける場所や、自転車で気軽に行ける距離で受診後は商店街で買い物をして帰れる場所などでしょう。

現在の場所で診療を続けるのであれば、高齢者よりもワーカーや若年層を中心とし、「スポーツ整形」「フィットネスや健診などの予防」といった特色を打ち出していくことをおすすめします。高層階でも抵抗感なく来院できるのは、やはりワーカー世代でしょう。

勉強会を定期的に開催し自院の認知度を高める

ターゲットを変えるだけではなく、自院の認知度を高める取り組みも不可欠です。
若年層であれば、医療機関を選ぶツールは圧倒的にインターネットが主流ですから、まずホームページに工夫を凝らす必要があります。

たとえば「スポーツでアキレス腱を切ってしまった人」など、対象を明確に打ち出し、細かいリハビリメニューをQ&A形式で写真やイラストを使ってわかりやすく紹介するといった具合です。
その際、リハビリの期間やリハビリ後の回復例なども表示するとよいでしょう。

高層ビル内や“陸の孤島”のような住宅街の一角で開院している診療所の認知度を上げるには、院長の顔を覚えてもらうのが一番効果があります。
それには患者さんはもちろん、その家族向けに行う勉強会が有効です。
患者さん側からすると、ビルの中にある診療所というのは、どんな先生がいるのかわからず、そこに大きな壁を感じるものです。
勉強会で先生と対面することで、「やさしそう」「穏やかそう」というイメージをもってもらうことができます。

受付にチラシを置いたり、壁に告知文を貼っておくことで勉強会の開催を知らせますが、できれば直近のものだけでなく、半年くらい先までのスケジュールも掲載しておくことをおすすめします。
定期的に開催しているメッセージになり、「今月は行けないけど来月行ってみよう」と思ってもらえる可能性があり、そこから予約につながることが期待できるからです。
勉強会は決して専門的な内容で行う必要はなく、長時間開催することもありません。1時間ほど、ビジュアルを活用しながら説明するのがちょうどいいと思います。

企業内での勉強会、社員向けの勉強会を行う場合も同様です。
私が知っている東京・池袋の診療所では、院長先生自ら近隣のデパートの人事部に赴き、「現代の若い人にはこういう疾患が多い。無料で勉強会をやりませんか」と提案しました。
デパートの人事担当者もイベントの企画で社内での評価が上がるため、素早く応じてくれ、勉強会を開催することができました。
その結果、参加者の何人かが新患につながったのです。診療所への親近感が増すことで増患に成功した典型的なケースと言えます。

患者の家族まで視野に入れた幅広いテーマ設定を

今回の相談事例では、腰痛や肩こり、外反母趾、あるいは骨を丈夫にするスポーツなどのテーマとした勉強会を開催するといいでしょう。
また、参加者が若年層であっても、「骨粗鬆症の高齢者にはこういう運動が必要です」「脳梗塞で半身不随になった人にはこんなリハビリができます」といった話題も盛り込むことをおすすめします。
参加者の家族が該当する可能性もあり、近隣であれば集患につながる見込みもあるからです。

勉強会で大切な点は、コツコツ愚直に開催し続けることです。1年実施しただけで辞めたのでは意味がありません。
参加者が2、3人だったとしても地道に継続することで、その輪がじわじわ広がっていきます。
そういった活動が口コミで地域の住民に知れ渡ることで集患・増患が実現するのです。
ホームページで紹介するといった工夫も施せば、他院とは違うという印象を与えることができます。

「医師は医療に専念し、営業や経理は専門家に任せればいい」と言う院長は少なくありません。
しかし今は医療もマーケットインの時代。地域のニーズに合わせた医療を提供しなければ、経営はうまくいかない時代になりつつあります。
私が見る限り、その傾向は特に競争が激しい都市部では顕著だと思います。患者さんが医療機関を選ぶ時代であるという意識をもって診療所を経営することが大切です。

佐久間賢一

株式会社MMS代表取締役 佐久間 賢一
国内最大級の税理士法人において医療機関に対する税務・コンサルティングを行う部署を立ち上げ、2009年3月まで代表を務める。社団法人日本医業経営コンサルタント協会理事。