<連載>クリニックの集患を考える 医療法と広告|医院・クリニックの開業支援と経営支援のMMS

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<連載>クリニックの集患を考える
医療法と広告

患者さんや地域住民に自院を知ってもらう手段としては、パンフレットやチラシ、インターネットなどによる広告・広報活動が一番に挙げられますが、「法律やガイドラインによる規制の中でより充実した情報提供を行うにはどうすればいいのか?」といった声が多く寄せられます。
そこで、広告規制の基本事項を押さえつつ、効果的な広告・広報活動をするためのポイントをまとめました。

■医療機関の広告
医療機関の広告内容は、他の業種とは異なり法律(医療法)によって細かい規制が設けられています。
医療は、生命・身体に関わるサービスであるため、患者さんが不適切なサービスを受けた場合の被害が他業種より非常に大きいというのがその理由ですが、背景には「情報の非対称性」があり、専門性が極めて高い医療においては、医師と患者さんが持つ情報や知識の差が大きく、患者さんが医療機関の提供する広告内容を自身で判断することが非常に難しいという状況があります。
つまり、広告規制は患者保護を第一の目的としており、違反した場合は罰則規定も設けられています。

■広告範囲
一方で、医療機関名や住所などあまりに範囲の狭い広告内容では、患者さん自身が医療機関を選択する際の十分な情報といえないのも事実です。
そこで、患者保護の目的を果たしつつ患者さん自らが自分の病状に合った医療機関を選択できるよう支援する観点も取り入れ、現行では1つ1つの事項を個別に列記する限定列記方式ではなく、一定の性質をもった項目群ごとにまとめて、「~に関する事項」と規定する包括規定方式が導入されています(下表参照)。
この方式は2007年から導入されており、客観性と正確性を確保できる事項は広告可能となるよう幅広く認める方針がとられています。
【広告可能な項目(医療法第6条の5)】

①医師又は歯科医師である旨

②診療科名

③病院又は診療所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項並びに病院又は診療所の管理者の氏名

④診療日若しくは診療時間又は予約による診療の実施の有無

⑤法令の規定に基づき一定の医療を担うものとして指定を受けた病院若しくは診療所又は医師若しくは歯科医師である場合には、その旨

⑥入院設備の有無、第七条第二項に規定する病床の種別ごとの数、医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の従業者の員数その他の当該病院又は診療所における施設、設備又は従業者に関する事項

⑦当該病院又は診療所において診療に従事する医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療従事者の氏名、年齢、性別、役職、略歴その他のこれらの者に関する事項であって医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるもの

⑧患者又はその家族からの医療に関する相談に応ずるための措置、医療の安全を確保するための措置、個人情報の適正な取扱いを確保するための措置その他の当該病院又は診療所の管理又は運営に関する事項

⑨紹介をすることができる他の病院若しくは診療所又はその他の保健医療サービス若しくは福祉サービスを提供する者の名称、これらの者と当該病院又は診療所との間における施設、設備又は器具の共同利用の状況その他の当該病院又は診療所と保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との連携に関する事項

⑩診療録その他の診療に関する諸記録に係る情報の提供、前条第三項に規定する書面の交付その他の当該病院又は診療所における医療に関する情報の提供に関する事項

⑪当該病院又は診療所において提供される医療の内容に関する事項(検査、手術その他の治療の方法については、医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるものに限る。)

⑫当該病院又は診療所における患者の平均的な入院日数、平均的な外来患者又は入院患者の数その他の医療の提供の結果に関する事項であって医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるもの

⑬その他前各号に掲げる事項に準ずるものとして厚生労働大臣が定める事項

■広告とは
では、規制対象となる「広告」とは何かということですが、下記の3項目すべてに該当する場合、広告とみなされます。
①誘因性
患者の受診等を誘引する意図があること

②特定性
医師の氏名や医療機関の名称が特定可能であること

③認知性
一般人が認知できる状態にあること

「誘因性」については、医療機関自らが誘引しているか否かが判断基準となります。
従って、例えば、患者さんの体験手記や新聞記事等が特定の医療機関を推薦する内容であっても医療機関が広告料等を支払っていなければ「誘因性」に該当しません。
「特定性」については、複数の医師の名称や医療機関を対象としている場合も該当します。
「認知性」については、不特定多数の人が目にする状態をいいます。例えば駅のホームにある、多くの人が目にする状態にある駅看板です。
次号では、広告ガイドラインで押さえておくべき重要なポイントについて紹介します。

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