後期高齢者の窓口負担額が、現在は1割負担、3割負担の二通りですが、今年の10月1日から新たに2割負担が導入されることとなり、窓口負担額が三通りとなります。
東京イキイキネットより
令和4年度以降に団塊の世代(1947年~1949年生まれ)が、全員75歳以上になり、後期高齢者医療制度の財源は、公費(税金)、現役世代からの支援金が8割近くを占めており、大きな問題と捉えられています。
令和2年12月15日閣議決定により今回の方針が決められ、令和3年通常国会において健康保険法の一部等を改正する法律が成立しました。
今回の窓口負担変更となる人は、被保険者全体の約20%が該当することになり、後期高齢者が多く受診している医療機関では窓口対応に混乱が生じないように充分注意して頂きたいと思います。
今回の変更では、自己負担が2割負担となる人に対して令和7年9月30日迄の激変緩和措置が併せて導入されることになり、少し複雑な制度変更となっています。
激変緩和措置とは、医療機関での窓口負担が2割負担となる患者の場合には、窓口負担額を2割負担と1割負担の差額を計算し、その上限金額を3.000円とする制度です。
例えば医療機関での医療費が月額40.000円掛かったとした場合
後期高齢者窓口負担 | ① | ② | ③ | ④ | ⑤ |
医療費 | 1割 | 2割 | 差額 | 激変緩和措置 | 2割負担の 窓口負担額 |
40,000円の場合 | 4,000円 | 8,000円 | 4,000円 | 3,000円 | |
| | | ②-① | ③<3,000円 | ①+④ |
窓口負担額 | 4,000円 | | | 3,000円 | 7,000円 |
2割負担の患者が激変緩和措置による上限額を超えて窓口負担を支払った場合には、高額療養費として予め登録されている口座に払い戻されることになります。
但し、その払い戻しには最短で4ケ月を要することになりそうです。
高額療養費登録続きは、高額療養費支給事前申請書が令和4年9月頃に送付されてきますので、所定の期限内に郵送する必要があります。
その手続きについて窓口で質問を受ける事が予想されますので、スムーズな説明が出来るように準備して頂きたいと思います。
又、今回の窓口負担額変更に伴い2割負担となる方には保険証が年内に2度配布されることになりますので、併せて覚えて置いて頂ければと思います。
a) 7月に配布される保険証(桃色) 窓口負担が二通りの期間に使用有効期限が8月1日~9月30日迄
b) 9月に配布される保険証(水色) 窓口負担が三通りの期間に使用有効期限10月1日~2023年7月31日迄
株式会社MMS
代表取締役 佐久間 賢一
公益社団法人日本医業経営コンサルタント協会 顧問
株式会社 MMS 代表取締役
佐久間 賢一