新型コロナウィルス感染拡大に対しての支援金が何度か出されてきました。
支援金を積極的に利用し新型コロナウィルス拡大に伴う患者減少への対応策として有効に活用された診療所も多く在りました。
しかし今年の1月から開始された「事業復活支援金」については知らない、情報が入って来ないと言われる院長を多く見掛けます。
今迄の支援金が厚生労働省が主管となっていた支援金の為、情報が比較的速やかに入手されたのではと推察致します。
それに対して「事業復活支援金」は経済産業省が主管となっている支援金の為に情報が入手しずらいのではないでしょうか。
申請期間が2022年5月31日迄と間近に迫っていますが、是非給付対象に合致するか検討して頂きたいと思います。
給付対象とそれに伴う給付額の計算についてご説明致します。
まず給付対象ですが、次の①と②に該当する個人事業者・中小法人(多くの医療法人が該当します)とされています。
A)給付対象の判定方法は、
① 新型コロナウィルス感染症の影響を受けた事業者
② 2021年11月~2022年3月のいずれかの月の売上げ(対象月)⇒ Aとします。
2018年11月~2021年3月の基準期間の中から対象月と同じ月の売上げ(基準月)⇒ Bとします。
基準月は基準期間(アからウ)の中の対象月と同じ月を選ぶことになります。
同じ月で判定するのは季節変動を考慮している為です。
ア)2018年11月~2019年3月
イ)2019年11月~2020年3月
ウ)2020年11月~2021年3月
A÷B= 判定数値・・・・50%以上又は30%以上50%未満に減少した事業者
50%以上か30%以上50%未満かによって、給付額上限が異なってきます。
B)給付額の計算について
給付額の計算は、
基準月の売上高(ア~ウの対象月を含む期間)-対象月の売上(A)×5ケ月分=給付額
但し、給付額には上限が設けられています。
医療法人では250万円、個人事業では50万円となっています。
又、売上減少割合と、医療法人の場合には年間売上額によって給付額上限が違ってきます。
B)申請方法
事業復活支援金の申請方法も、今迄の支援金と異なっています。
直接経済産業省に申請するのではなく、登録確認機関で申請に必要な書類の事前審査を行わなければならないのです。
登録確認機関とは事前に登録申請された税理士、中小企業診断士、行政書士商工会議所、金融機関等59.500件(2022年5月現在)において書類が適正に作成されているかの確認作業を行う事になります。
登録確認機関は「事業復活支援金」のホームページから検索ことが出来ます。
注意点としては、
・事前確認の終了をもって給付対象となる訳ではないということ
・事前確認手数料は国から1件当たり2.000円の手数料が支払われますが、申請者から直接手数料を取る登録機関もあるので事前確認が必要となります。
診療所の顧問税理士が登録機関に登録している場合には、申請に必要となる書類の一部が不要となりますが、そうでない場合には用意しなければならない書類が多くなります。
主な必要書類の区分表に書かれている継続支援関係有りとは顧問契約がある場合、継続支援関係無しとは登録確認機関をホームページから選んで依頼した場合を指します。
登録確認機関による事前確認は5月26日迄となっていますので、早目に給付対象の判定を行って頂きたいと思います。