医院開業・経営セミナー 診療報酬改定への対応を誤ると医院経営が厳しくなる?

医療法第25条に医療機関への立ち入り検査に関して次のように定められています。
「都道府県知事は、保健所を設置する市の市長又は特別区の区長は、必要があると認めるときは、病院、診療所若しくは助産所の開設者若しくは管理者に対し、必要な報告を命じ、又は当該職員に、病院、診療所若しくは助産所に立ち入り、その有する人員若しくは清潔保持の状況、構造設備若しくは清潔保持の状況、構造設備若しくは診療録、助産録、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。」
医療機関が多く開設されている地域では、病院、有床診療所を除き定期的な保健所の立ち入り検査は実施されていないのが現状です。
それに代わる指導として「医療安全管理チェックリスト」による自主点検が求められています。
「医療安全管理チェックリスト」は厚生労働省の要綱に基づき、各都道府県が作成している為に全国統一の様式とはなっていません。
某保健所から送られてきた医療安全管理チェックリスト(無床診療所用)の様式で内容を見てみますと、各項目について自己点検を行い評価する仕組みとなっています。


この「医療安全管理チェックリスト」には、大きく8つの項目が上げられています。
調査項目
医療の安全管理のための体制確保
院内感染防止
医薬品に係る安全管理のための体制確保
医療機器に係る安全管理のための体制確保
診療用放射線に係る安全管理のための体制確保
感染性廃棄物
検体検査の業務
その他


その他の内訳としては、
(1)医療広告
医療に関する広告を行うにあたって、医療広告ガイドラインを遵守しているかと問われています。
医療に関する広告については、医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針として、医療広告ガイドラインで詳しく説明がなされています。
医療に関する広告に対する基本的な考え方としては、
「医療広告は、患者等の利用者保護の観点から、次のような考え方に基づき、限定的に認められた事項以外は、原則として広告が禁止されてきたところであるとされています」
そして、特に注意する点としては、
「今回の広告規制の見直しに当たっては、こうした基本的な考え方は引き続き堅持しつつ、規制対象を「広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示」に拡大する一方、患者等に正確な情報が提供されその選択を支援する観点から、医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合については、幅広い事項の広告を認めることとした。」と記載されている点です。
これは2017年(平成29年)の医療法改正において、医療機関のホームページも広告となるとされた点を受けての記載となっています。
医療法第6条の5に広告出来る項目は13項目に限定されており、ホームページにおいても記載する内容は同様に13項目に限定されます。
しかし、それではホームページの持つ利便性が損なわれてしまうという事から、「広告可能の限定解除」が設けられました。
広告可能の限定解除とは、ホームページに記載されている内容について、問い合わせを受けて説明できるような体制を整えていれば、医療法に定められた13項目以外についても広告が可能となるというものです。
具体的には医療機関のホームページに、掲載されている内容についての問い合わせ先としてメールアドレス等を掲載することが必要となります。
このような対応が取られていない医療機関のホームページは、医療法違反となり、チェックリストに不適とチェックしなければならないことになりますので充分に注意して頂きたいと思います。


公益社団法人日本医業経営コンサルタント協会 顧問
株式会社MMS 代表取締役     佐久間 賢一

公益社団法人日本医業経営コンサルタント協会 顧問
株式会社 MMS 代表取締役
佐久間 賢一
投稿日 2023.03.13

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